看護師が活躍できる場所は、病院やクリニックなどの医療機関に限らない。身につけた医療スキルを生かして、様々な場所で活躍可能だ。たとえば、保育園や特別支援学校などの教育機関で衛生管理や病児の対応などにあたることができる。通常、保育園では看護師が0歳児を担当し、最も免疫力が低い乳児を見守る役割を果たす。虚弱児を預かる特別支援学校では、容態の急変に対処するほか、継続的に健康管理を行い、ちょっとした不注意で病気になりやすい虚弱児の健康維持に努める役割を担っている。
そのほかに養護教諭の資格を取り、一般的な学校で保健室の先生として働く看護師もいる。養護教諭の資格取得には看護師に優先ルートが用意されており、看護師は養護教諭の資格を一般ルートより短期間で取得できるのだ。また、看護系の教育機関で教員としてナースの卵に看護学を教えるケースも挙げられるだろう。特定の企業に勤める産業看護師も、従業員の健康管理に貢献している。それから、職場を1ヶ所に限定せず、看護師不足の地域を巡り、短期間看護をサポートするトラベルナースという活躍の方法もある。
トラベルナースと言うと、団体旅行の添乗やトラベルクリニックの勤務と誤解する人もいるが、トラベルナースは旅行とは関係ない。トラベルクリニックは、海外渡航者に予防注射を打ったり、渡航先の流行病の相談に乗ったりする医療機関である。さらに、スポーツ大会など大勢の人が集まる大規模な興行などでイベントナースとして活躍することもあれば、被災地に医療ボランティアとして赴くこともあるだろう。看護師は、仕事以外でも活躍できる場所がたくさんあるのだ。